今回読んだ本は『問題解決力を高める「推論」の技術』です。
この本は、問題解決に効果的な方法と手順を教えてくれます。
そんな中でも今回は「帰納法」について紹介します。
- なかなか提案が通らない
- 提案の内容は良いはずなのに、説得力のある説明ができない
こんな悩みを持っていませんか?
そんなあなたにおすすめなのが「帰納法」です。
帰納法を活用することで、説得力のある提案ができるようになります。
今回はそんな帰納法について紹介していきます。
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帰納法とはなにか
いきなり結論から言ってしまうと、
帰納法=複数の事実から共通点を発見して結論を導き出す方法
理解しやすくするため、例を使って説明します。
事実①:A社の「商品a」は品質が良い
事実②:A社の「商品b」は品質が良い
事実③:A社の「商品c」は品質が良い
共通点:A社の商品に共通するのは品質が良いことだ
結論:A社の商品は品質が良い
このように、複数の事実から共通点を見つけ出し、
結論を導き出すのが帰納法です。
この例を元にステップを確認すると次のようになります。
①複数の事実を挙げる:A社の商品a、b、c
②複数の事実の共通点を発見する:A社の商品3つに共通しているのは品質が良いことだ
③共通点を全体に当てはめて結論を出す
そして最後に、帰納方が成立しているかを「なぜならば」と「その根拠は」を使って、
プロセスを逆算してみることでチェックします。
結論:A社の商品は品質が良い
↓なぜならば
共通点:A社の商品は、品質が良いことが共通しているから
↓その根拠は
事実①:A社の「商品a」は品質が良いから
事実②:A社の「商品b」は品質が良いから
事実③:A社の「商品c」は品質が良いから
帰納法を扱うときの注意点
帰納法を扱うときの注意点は次の2つです。
- 事実に偏りがある場合
- 共通点の発見、または結論に飛躍がある場合
1つ目は、「事実に偏りがある場合」です。
上記の例では、「A社の商品a、b、cは品質が良い」という事実から、
「A社の商品は品質が良い」と結論付けました。
でも、もし新たに次の事実がわかったらどうでしょう。
事実④:A社の「商品d」は品質が悪い
事実⑤:A社の「商品e」は品質が悪い
新たにこれらの事実が加わった場合、
「A社の商品は品質が良い」という結論は一気に崩れさります。
このように「事実の選び方」に偏りがあると間違った結論が導き出されてしまいます。
よって帰納法を扱うときには、
常に「選んだ事実に偏りがないか?」「代表性があるか?」に注意を払わなければなりません。
2つ目は、「共通点の発見、または結論に飛躍がある場合」です。
例えば、
事実①:A社の「商品a」は品質が良い
事実②:A社の「商品b」は品質が良い
事実③:A社の「商品c」は品質が良い
共通点:A社の商品に共通するのは市場に良いイメージを持たれていることだ
結論:A社の商品は市場にいいイメージを持たれている
または、
事実①:A社の「商品a」は品質が良い
事実②:A社の「商品b」は品質が良い
事実③:A社の「商品c」は品質が良い
共通点:A社の商品に共通するのは品質が良いことだ
結論:A社の業績は安泰だ
この例の問題は、事実から共通点に至るプロセス、
または共通点から結論に至るプロセスに飛躍があることです。
今回の事実からわかることは、あくまで「商品の品質」だけであって、
市場のイメージまではわかりませんし、
品質が良いからといって業績が安泰とは限りません。
このように、プロセスに自分の予想や思い込みが入ってしまうと、
説得力が失われてしまうため注意が必要です。
仕事での活用方法
それではこの「帰納法」は仕事のどんな場面で活用できるのかを紹介します。
私のおすすめは次の3つです。
- ユーザーからのフィードバックをもとに、共通の困りごとを見極め、商品の改善につなげる
- 過去の不具合事例から共通点を見極め、業務フローの改善につなげる
- 現在起きている不具合と過去の不具合との共通点を探し、原因を推定する
このように帰納法を活用することで、
複数の事実(データ)から共通点を見つけ出せ、
より説得力のある提案や合理的な判断ができるようになります。
そして、この「共通点」とは言わば「法則」です。
意識的に帰納法を活用することで、
あなたの中に再現性の高い「法則」をストックしていけます。
「法則」を多くストックすることで、
他の人には見えない提案や解決策を見つけられるようになっていきます。
まとめ
今回は『説得力のある提案ができるようになる。帰納法の活かし方』を紹介させていただきました。
あなたの説得力向上の一助になれば嬉しいです。
- こんなときはどうするの?
- こういう考え方もあるよね?
こういったコメント大歓迎です。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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